本学OGが翻訳・編集に携わった書籍が刊行されました
6/8(木)に書籍『選択的シングル」の時代 30カ国以上のデータが示す「結婚神話」の真実と「新しい生き方」』(著:エルヤキム・キスレフ)が刊行されました。
本書は、世界7言語での刊行が決定し、日本語版の翻訳を本学文学部出身・舩山 むつみさんがおこない、同じく本学文学部出身・関 美菜子さんが編集に携わり、6/8(木)に刊行されました。ご興味のある方は是非お買い求めください。
書籍についての詳しい内容は下記および出版元の文響社ホームページをご参照ください。
【書籍の内容について】
米国コロンビア大学出身の社会学者エルヤキム・キスレフ博士が、もはや世界的現象であるシングルの台頭について、日本を含めた30カ国以上のデータやインタビューに基づいて分析・紹介するとともに、これからの社会、私たちの生き方についての提言をまとめた画期的な一冊となっております。
【文響社】ホームページ
「少子化問題」と声高にいわれるようになって久しいですが、年金の問題、老人介護の問題などあらゆる問題は本当に、結婚しない人、子どもをもたない人、つまり、シングルの人たちの責任なのでしょうか。あらゆる問題を「少子化」のせいにし、シングルのせいにすることは、個別の問題に対処できていない政府の詭弁であり、生まれてくる子どもたちもまた(その数が多くても、少なくても)いずれは老人になるという自明の事実を無視した論法だと思います。
若い学生である皆さんの目の前には長く予想のつかない未来が広がっています。すばらしい異性の伴侶を見つけることが人生の喜びだと考える人も、自らの意思でシングルとして生きる人も、多種多様なパートナーシップを結んで生きたいと思う人もいることでしょう。また、予想に反してパートナーを失い、シングルに戻る人もいるでしょう。
それぞれ独自の考えをもち、それぞれ異なる人生のステージにいる人たちを、伝統的な価値観による家族を形成しているかどうかで分断するのではなく、多様な人々がみんなで幸せになれるインクルーシヴな社会政策が必要です。まさにそのためにこそ、シングルという生き方の可能性をさぐる、この本が書かれたのだと思います。
この『「選択的シングル」の時代』の翻訳にあたっては、東北大文学部の同窓である編集者の関美菜子さんとご一緒することになったのは、偶然ですが、嬉しいことでした。
(翻訳者・舩山むつみ/1984年文学部文学科卒)
本書は、世界各国の人口動態や、経済、文化、テクノロジーなど多種多様な側面から「シングル」という世界的現象とその先の未来を論じた一冊です。一見すると難解なその幅広いトピックを理解する上で、東北大学という総合大学で、異なる背景や専門性をもった人々と語らいながら過ごした学生時代がどれだけ助けになったかわかりません。
人生は本当に奇妙なものだと思います。文学部出身ながらも、予想外の転職を経て編集者になり、その先で、同じ学び舎を出た舩山さんという素晴らしい翻訳者とともに、本書を皆さんにお届けできることになろうとは、在学中、夢にも思いませんでした。
世界が目まぐるしく変わる中で、皆さん一人一人の生き方も変わっていくことでしょう。結婚する人もいれば、しない人もいる。離婚や死別によってまたひとりになることもあれば、再び誰かといることを選ぶ人もいる。
どのような人生を送るにしても、この本が皆さんすべてにとって、人生という航海の中で、自分の人生を自分で選びとるための羅針盤のような存在になってくれることを願っています。
(編集者・関 美菜子/2013 年文学部人文社会学科卒)
文響社・編集者:関 美菜子さん |
『選択的シングル」の時代 30カ国以上のデータが示す「結婚神話」の真実と「新しい生き方」』 |