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インタビュー

同じ目標へ、一人ひとりのペースで

東北大学は、毎年、めざましい活躍を果たした学友会の団体を表彰しています。2011年度には、優秀な文化部を表彰する石田杯は奇術部が受賞しました。そこで、奇術部がどのように活動しているのか、細田憲弘・前幹事長にレポートして頂きました。

奇術部

東北大学奇術部前幹事長 東北大学工学部3年 細田 憲弘

発表会へ向けて、練習を重ねる日々

奇術部は、手品、カード、ジャグリング、クローズアップマジック、カードマジック、ボールやディアボロ・中国ゴマなどの練習をして、定期発表会や大学祭などで技を披露することが、主な活動内容です。部員は現在、約80名。大所帯なので、練習はふだん、部員それぞれが自分のペースで行い、発表会の1カ月前から皆で合同練習をします。
4月になると、新入生に奇術部を知ってもらうため毎日、どこかの教室で奇術を披露しています。4月末には、新入生歓迎会として「文化フェスティバル」を開催。これを見て、自分もやってみたいと、これまで経験のない新入生が入部することが多いです。
活動としてはいろいろ発表会を開いていますが、ステージ経験や技術レベルに合わせて出演者を学年で振り分けたりしています。5月のゴールデンウィークに開かれる「東北学生マジック連盟発表会」は3、4年生がメインで出演。11月の大学祭は1年生のデビューステージ。12月の「東北大学定期奇術発表会」がメインの発表会になりますが、これは2年生がメインとなり、1月の「追い出し発表会」で4年生が奇術部を旅立ちます。

地域の人々を驚きと感動の世界へ

年間行事としては、8月の合宿もはずせません。1年生、2年生が参加し、2011年は福島県の猪苗代湖へ1週間、合宿しました。1年生は先輩から技のコツを伝授され、思っていた以上に上達するチャンスとなっています。また、親睦会としてバーベキューや芋煮会、ボーリングなどのレジャーを行っています。
こうした行事のほか、「出演依頼」に応じて、地域の人がセッティングして下さった発表会で技を披露しています。福祉施設や保育園、小学校、町内会など、依頼はさまざまです。こちらからPRしているわけではなく、口コミで評判で広がっており、依頼に応じることは部員にとってはステージを経験するいい機会になっています。
東日本大震災以降、被災地での発表会に参加することも、何回かありました。私たちの拙い演目に、笑顔で大きな拍手を下さいました。皆さんの辛く、苦しい状況を考えると心が痛かったのですが、私たちは一所懸命の技を見て頂くことしかできないので、皆で精いっぱいステージに打ち込みました。

目標達成への「結束」と「自由」のいいバランス

奇術部での4年間は、立場が「教えられる」から「教える」に変わり、技術だけでなく人間的な面でもとても勉強になると思います。私も1年生の時は技術習得に夢中でしたが、2年生になって新入生の面倒を見る立場になると、いろんなことが見えてきました。「教える」ことで、技術そのものを深く考えるようになりましたし、コミュニケーションの取り方も影響するので、人間的な面も磨かないとダメだと思いました。
また、発表会の開催準備を担当して、ステージの演目を決めたり、会場のセッティング、練習のマネジメント、PRなどいろんなことに取り組むことで、少し成長できました。総勢4、50名の部員が合同で練習するには、授業やアルバイトで皆、忙しく、スケジュール管理に随分、頭を悩ませました。ですが、「人のために」が結局、「自分のために」なることがとてもよくわかりました。
ステージの演目は、まずは部員それぞれが演じたい希望をかなえることで、決めていきます。人々をステージでびっくりさせるという共通の目標に向かって、練習も演目も各人のペースで取り組んでいけるので、気が楽です。退部者が少ないのも、この「結束」と「自由」とのいいバランスがあるからだと考えます。

●プロフィール
仙台市内を中心とした幼稚園や小学校のお楽しみ会から企業のパーティーなど、様々な場所から年間40~50件ほどの公演依頼を受けている。学内のイベントとしては文化フェスティバル、大学祭などで演技を行っている。毎年クリスマス頃に行っている定期奇術発表会は、今年で52回目を迎えることとなった。●平成23年度石田杯受賞