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インタビュー

宇宙ロボット、宇宙へ 宇宙探査工学の研究

吉田 和哉(よしだ かずや)

東北大学大学院工学研究科

先生がこれまで研究をなさっていて最も喜び・やりがいを感じたのは、どのようなときでしょう

私は、自分の研究が、宇宙に飛び立つ衛星や探査機に直接結びつくことを目標にしてきました。最初の経験は、1997年に打ち上げられた技術試験衛星VII型(おりひめ・ひこぼし)です。この衛星を使って、学生時代より研究を続けてきた宇宙ロボットの軌道上実験を行い、貴重なデータを得ることができました。二度目は、2003年に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」です。小惑星表面に降り立って岩石サンプルを採集する技術の開発に貢献することができました。これらの目標が達成できたときが、最大の喜びです。そして今、第三のチャレンジとして、2009年1月の打ち上げを目指して、「スプライト観測衛星」と名づけた小型科学衛星の開発を東北大学内で進めています。これは非常に大きなやりがいを感じる仕事です。

先生がこれまで研究をなさっていて最も苦労・苦心なさったのは、どのような点でしょうか

宇宙開発は、やり直しの利かない世界です。宇宙空間で確実な動作をさせるために、地上での試験検証を、納得行くまで繰り返さなければなりません。またスケジュールとの戦いも強いられます。宇宙と聞くと「最先端」の研究という印象がありますが、実はその正反対の地道な作業がたくさんあります。しかし、それらを乗り越えた先に、新しい成果が待っていることを、いつも信じています。

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